学術的研究の素材となる作品──落ち着いて一次資料を確認し、前提を揃えてから議論を始めよう。
『叶精作自選画集 BEWITCHING』レビュー|構造と演出を議論形式で考察
叶精作自選画集 BEWITCHINGのあらすじ
内容紹介:
FANZA
その高い技術力と表現力で、同業者からも尊敬を集める漫画家・イラストレーターの叶精作。50年以上に渡る画業の中で描いてきた膨大なイラストの中から、厳選した官能的な艶絵を電子書籍として刊行が決定、本書はその第一弾。
2016年に、クラウドファンディングによって資金を募集し『叶精作画集』を発売するという試みは、1冊7000円という高額な価格設定にも関わらず、またたくまに目標金額を達成し、全192ページ画集が限定300冊で発売された。
しかし、入手できなかった世界中のファンからの問い合わせが、その後も継続的に著者の元に届き、それが本書、電子書籍版の企画へと繋がった。本書は『叶精作画集』から作品をセレクトし、2016年以降の新作も加えて、紙版よりも安価に、全世界の読者に筆者の自薦イラストを届けようという、試みである。
本書に収録できなかった作品を、テーマ別に再編集し、シリーズとして今後も発刊予定である。紙の書籍よりも、原画の色をより忠実に表現できるという、電子書籍の色再現性を活かし、紙の本ではくすんでしまうビビッドなカラーも繊細な淡色も、完全再現している。
さらに、大型モニターでの表示にも耐えるよう、収録データサイズは1ページがA3サイズに近い超大型判型(縦50センチ×横35センチ以上)なので、画面を27インチ以上の大型モニターで鑑賞しても、タブレット型で拡大表示しても、細部までクリアに再現されており、匠の技の詳細が堪能できる。
絵師という言葉が安易に使われがちな昨今、プロが認める絵師は数えるほど。そんな数少ないプロの一人が叶精作。まだデビューする前の高橋留美子や山本貴嗣、たなか亜希夫ら多くの才能を劇画村塾で技術指導するなど、そのキャリアと実績は多くの同業者が認めるところ。
※この本は横書きの本と同じ左綴じ右開きの本です。
著者紹介:
1949年(昭和24年)新潟県新潟市出身。県立新潟工業卒業後、オイルシールを製造する会社に就職し、静岡の工場に配属されるが上司とソリが合わず一年で退職、友人を頼り上京。
就職活動中に偶然見かけた、さいとう・たかをプロダクションのスタッフ募集を見て、まったく漫画を描いたことがないにもかかわらず応募。めでたく採用され、小山ゆう・やまさき拓味・神田たけ志らと共に、作画技術的な基礎をさいとうよりゼロから叩き込まれる。
1973年に『からあ怒(小池一夫原作)』で連載デビュー。以降、小池一夫と組んでの『魔物語 愛しのベティ』や『オークション・ハウス』『実験人形ダミー・オスカー』『キンゾーの上ってなンボ』など、数々のヒット作を連載。
他の代表作に『黒の鍵(雁屋哲原作)』『死星マリア(梶研吾原作)』『世界女帝列伝・クレオパトラ(倉科遼原作)』『地獄の葬儀屋・デーモン豊作(伊月慶悟原作)』『はんなり半次郎(篁千夏原作)』『仕留屋稼業・あさみ(辻堂ジン原作)』など多数。
1987年にスタジオ・アドバンスを設立。早くからコンピュータ・グラフィックスによるデジタル作画を取り入れ、漫画のみならずピンナップ・イラストや、ゲーム作品やライトノベルのキャラクターデザインなど、幅広く活動する。
議論スレ
◆「叙述の信頼性は意図的に揺らされている」
◆「人物造形は一貫、矛盾は成長過程」
◆「伏線回収率が高く再読性もある」
叶精作自選画集 BEWITCHINGのサンプル画像










議論スレ
◆「余白が想像を促す/反復が変奏を生む」
◆「視線誘導が誠実でめくりの快感が設計されている」
注意:海賊サイトに気を付けろ!
誠実な批評活動には公式が必須
◆「非公式リンクは作者への敬意を欠くため議論の前提から外す」
◆「安全性・正確性の観点でも公式のみ参照」